届かないありがとう
ひとりぼっちに慣れたと
言い聞かせて
もう何年が経ったろうか。
その何年かの間に
恋人も出来たし、同棲だってしてきた。
でも何故だろう、
いつだって心のどこかで
孤独と葛藤する日々だった。
あの頃、長く付き合った彼と別れた。
私たちは、いわゆるマンネリを超えられなかったのだ。
一人暮らしに慣れてきた大学生活に
刺激が足らなくなってしまったのだと
今ならハッキリと分かる。
彼と別れて、しばらくひとりでいた。
長く一緒にいたから
嫌になってしまった部分も出てきた。
そんなのを挙げたらキリがなかった。
だけど、
ふと振り返った時に
彼からたくさんの愛情を貰っていたことに
初めて気づいた。
何度も書き直した手紙と
知らない間に重くなっていた貯金箱には
私を想ってくれていた彼がいた。
何も返してあげられなくてごめんね。
もう何もしてあげられない代わりに
遠くからでもずっと
あなたの幸せを願っているよ。