kiaorakanaの日記

写真を撮る人

透き通る声に

2016年11月21日

Jungle Smile 「ジャンスマ、成人式」

東京キネマ倶楽部にて

 

もう会えない、と思っていた。

 

そんなキャッチコピーがピタリとくるほど、

私の青春の中心にあったのに

気づけばもう会えない存在になっていたジャンスマ

 

最後のシングル『抱きしめたい』がリリースされたのは確か、

私が高校生の時だった。

その頃たった一度、ジャンスマのコンサートに行ったことがあった。

地元のホールの後ろの方の席で、

メンバーの顔もほとんど見えなかったけど

すごく幸せだったのを憶えている。

 

当時はまだインターネットも気軽に使えなくて

情報のほとんどはラジオから得ていた。

録音したラジオを擦り切れるほど聴いた。

例えでもなんでもなくて、

お気に入りのラジオテープは

本当に擦り切れてもう聴けなくなってしまった。

 

テレビにもほとんど出ていなかったから、

出演したテレビを録画して何度も観たし、

CMのタイアップが決まった時は

流れる度に食い入るようにテレビの前で

耳を澄ませていた。

 

 

デビュー20周年のこの日、

ステージに現れた郁乃ちゃんとゐさおちゃんを見ても

正直なところピンと来なかった。

しかし、1曲目の『片想い』の郁乃ちゃんの声を聴いて

確信した。

あの当時、毎日聴いて真似して歌っていた

あの、ジャンスマが目の前にいるのだと。

 

叶わない恋だと知ってても いつもいちばん近くで君を見てた

 

このフレーズが終わる頃にはもう、

涙が止まらなかった。

自然と溢れて気付けば泣いているとはこのことで、

思い入れのある曲ばかりが歌われて

あの当時と変わらない郁乃ちゃんの声がここに響いてて

本当に包まれているのだと思った。

 

コンサートで泣くことはあっても

終始、泣いてしまうとは思ってもいなかった。

声を出してしまいそうになったくらいだった。

 

 

私がジャンスマと出会ったのは中学2年生の夏の少し前だった。

人生でいちばん「多感なお年頃」と呼ばれるにふさわしい時だった。

ラジオから流れてきたその曲がとても耳に残った。

 

『小さな革命』

 

透明感のある歌声と

独特な発声の歌い方にとても惹かれていった。

私もこんな風に歌を歌えるようになりたいと

その瞬間に思ったのは言うまでもない。

 

ジャンスマに出会ったそのすぐ後、

さらに運命的な出会いを果たすのだけれど、

このタイミングで『おなじ星』がリリースされた。

ラジオのパワープッシュに選ばれたり、

メディアにも取り上げられる回数も多かったからか、

少し意識をするだけで

あちこちで耳にすることができたのだった。

そしてこれをきっかけに

さらにジャンスマという人たちをさらに好きになるのだった。

 

とはいえ中学生のお小遣いで買えるCDの枚数は多くなくて

大人になった今でさえも

全てのCDを買い揃えることができなかった。

全部買って、全部を思えることはできなかったけれど、

手にできた音源は今も日常的に聴いている。

 

夏になると聴きたくなる曲もあるし

冬になればやはり、『白い恋人』を聴きたくなる。

 

ジャンスマはいつも、季節に、人生に寄り添ってくれていた。

これまでもそうだったように

これからも変わらないだろう。