拝啓、気まぐれなあなたは。
半月ほど前から、
忙しくなることを知っていたけれど、
彼からの連絡がほとんど来なくなるなんて思ってもみなかった。
もちろん理由は分かってるから
何か疑うようなことをするわけでもないし
ただ待つと決めた。
下手なことをして離れてしまうよりは、
何もせずに待つことを選んだのだった。
連絡も1日1回来るかどうか、
会話になるようなものはほとんどない。
本当ならば些細な出来事さえも共有したかった。
一緒に買いに行った焼きそばをひとりで食べてしまったこと
脚を捻ってしまったこと
シリアルにハマっていること
実家に帰ったこと
家族のこととか
なんてことのない他愛もない会話をして
ふたりで笑い合いたい。
愛おしいと思われたいし
守りたいとも思われたい。
そんな幸せを噛み締めたい。
私の夢は
彼と家族になること。
気を遣わずとも一緒に居られる関係になりたい。
そんな願い全てをぐっと飲み込んで、
翌日か翌々日に来るであろう連絡を
ただひたすら待っている。
せめてもの願いがあるとすれば
健気に一途でいることを
笑わないで知ってほしいということだろう。