kiaorakanaの日記

写真を撮る人

繰り返しの日々のような。

再び連絡が取れなくなったのは

私が高熱にうなされた夜からだったと思う。

 

何年かぶりに39度を超える発熱で倒れた。

助けを乞う相手もなく、

ただひたすらに耐えたのだった。

寒さで3時間おきに目を覚ましては

震えながらも必死に耐えた。

 

朦朧とする意識の中で

断片的に思い出したかつての恋人の姿に

思わず涙が溢れた。

 

 

大学生になって初めてのテスト、

必修科目のテストが重なった日にダウンした。

あの日も39度を超える発熱で

ひとりでは何もすることができなかった。

当時まだ付き合って間もなかった恋人を呼び出し、

助けを求めた。

 

本来であれば、自宅から徒歩5分もかからず到着する病院まで

ふたりでゆっくり歩いた。

彼がずっと支えてくれていた。

病院に着いてからも諸々の手続きを代わってやってもらい、

ソファで彼にもたれかかりながら診察を待った。

 

その後のことはもう曖昧だけれど、

彼の懸命な看病のおかげで

私はすぐに回復したのだった。

 

隣で寄り添ってくれる人がいて

支えてくれる人がいて

本当に良かったと、心から感謝した。

たとえ会えなかったとしても

彼はきっと、私を心配してひとりにはしなかっただろう。

 

 

今回倒れて気付かされたのは

私がひとりぼっちだったということだけだった。

恋人はわたしを独りにした。

容赦なく、あっけなく。

欲を言えば会いたかった。

せめて、励まされたかった。

でも実際のところ、それからまた一週間ほど

音信不通となった。

 

体が弱って、心まで弱くなった時に

彼はわたしをひとりぼっちにした。

 

結論から言えば、彼も同じタイミングで倒れて入院していたそうだ。

それならば仕方ないと

寂しい気持ちを少しだけは飲み込むことにした。

 

それでも

孤独な夜は消えずに記憶に残っていく。

もしまた倒れるような時があれば、

幸せな記憶と孤独な記憶が蘇るだろう。