スーパースターになった
7年程前、好きなバンドが出来た。
当時、奇跡の生還を果たした直後で
本来ならば自宅療養をしているべきところだったろうが
働かなくていいという免罪符をかざし、
私は自由を謳歌することにしていた。
そうでもしていなければ正気でなんていられなかったからだ。
彼らは地元のバンドで
しかも同い年だった。
つまりはどこから攻めても友達の友達の距離にいる人たちだった。
親近感と親心のような気持ちもあり
時間の許す限りライブへと足を運んだ。
ファン友達も増えて
いつか武道館でライブが観たいねとか、
ファンクラブ作っちゃおうかなんて話を
ライブ後のメンバーも交えて話してたのを覚えてる。
それから4年後
彼らは大勢のファンを連れて
武道館のステージに立っていた。
スーパースターになったら
なんて歌っていたけれど、
正真正銘のスーパースターだった。
その瞬間、他の誰よりも輝いていた。
連れてきてくれてありがとう。