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憧れてた普通には、なれなかったんだった。
時々ふと、思い出してしまう。
いや、思い出さないとやってられないのが正直なところなわけで。
当たり前にパートナーがいて
当たり前にその人が優しくて
当たり前に私を想っていてくれて
当たり前に幸せな家庭があって
そんな当たり前を
どうせなれるもんだと思って生きてきた
だけど
そんな当たり前が私には難しくて
私には遠くて
手を伸ばしたって届かなかった
何度も躓いて転んで
全然辿り着かなくて
仕方なくなって
今いる場所を求めてた場所だったって言い聞かせて
私は幸せなんだって
おまじないをかけた
こんな人生も十分楽しい
そんな訳はなくて
こんな人生を受け入れるしかなかった
何も選べなくて
欲しかったものじゃなかったとしても
欲しかったフリをして
これからもずっと生きていくの
死にたいなって思いながら
死ぬ勇気がないから
ただ彷徨うしか残されてないから
分かってもらえなかったとしても
寄り添ってもらえたら
どれだけ心が救われるんだろう